hildsoftのコード置き場

プログラム関連で調べたことやコードの保管場所です

Arbor2を使ってみよう その2 主要な構成部品

前回の記事はこちら

code.hildsoft.com

検証バージョン

Unity 2017.1.0p4
Arbor 2.1.6

Arbor2を構成する主なパーツ

Arbor2は大きく分けて

  • Component
  • Behaviour
  • Calculator

の3つで構成されています。


Component

ComponentはUnityでGameObjectに対して付加します。

f:id:hildsoft:20170831071034j:plain

ArborFSM:ステート管理するオブジェクトに対して1つ追加します。

ParameterContainer GlobalParameterContainer:今は変数を保存する物という程度の認識でokです。

AgentControllerは少し特殊な用途なので、ここでの説明は割愛します。


Behaviour

BehaviourはArborエディタでステートに対して付加します。

f:id:hildsoft:20170831073152j:plain

これは沢山ありますが、大きく2つに分類できます。

処理を行うだけの物と、ステートを変更するものです。

f:id:hildsoft:20170831072153j:plain

ステートを変更するものは、条件を満たしたときのみステートを変更します。

Behaviourは、よく行う処理をFSMの中で記述できるようにしたものです。

オブジェクトの大きさや位置を変更したり、音やアニメーションを制御したり、ステートが変わるタイミングで用いられる処理が用意されています。

もちろん、自分でBehaviourスクリプトを書いて追加することも可能です。

ここでは、ステートの変更を含め、定型処理をしてくれるものとだけ覚えてもらえばokです。


Calculator

CalculatorはArborエディタ上で単独で作成し、BehaviourやCalculatorと結び付けて使用します。

f:id:hildsoft:20170831073259j:plain

これは変換するためのメソッドと理解しておけば大丈夫です。

f:id:hildsoft:20170831074609j:plain

Behaviourで使用する値を作ったり、他から参照したりするために橋渡しをすることができます。

値を受け取ったり渡したりできるので、簡単な処理はこれを使い、複雑な処理はスクリプトを書くことになります。

BehaviourとCalculatorの使い方

どのようなBehaviourやCalculatorがあるか、作らなければいけないかを判断して使っていくことになります。

Behaviour、Calculator共に結構な数がありますが、いくつかに分類できますので、覚える量はそれほど多くありません。

こんなこと出来ないかな?と思った時に探してみて、それっぽいものが合ったらリファレンスで確認して使いながら覚えていくくらいで十分です。

code.hildsoft.com

Arbor2を使ってみよう その1 概要

Arbor2って何?

アセットストアで販売されている、有償のエディタ拡張アセットです。

これを使用することで、FSM(finite automaton machine)をグラフで操作しながらプログラムの見通しをよくすることができます。

Playmakerでも同様のことはできるようですが、Arbor2のメリットは

  • 開発者が日本人なので、日本語で質問でき、日本語ドキュメントも用意されている
  • ソースコードが開示されているので、開発終了しても独自拡張で使っていける
  • Playmakerより安い

です。

デメリットとしては

  • まだまだ使用例が少ない
  • C#を読み書きできることを前提とした設計

です。

全てFSMだけで処理を書くことは無理で、ある程度はコードを書かなければいけません。

しかし、上記のメリットにもありますが、ソースはあるので魔改造して全てFSMで片づけるシステムを社内開発することも可能だと思います。

過度にリフレクションを多用すると処理速度の面で問題があるので、Arbor2に分岐処理を殆ど任せるような書き方をしたり、処理の重いシステムだとそのままリリースは出来ないかもしれませんが、少なくともモックを高速に作り上げることができるのは大きなメリットになります。


試用版もありますので、まずは購入前に試すことをお勧めします。

また、公式サイトで説明がありますので、一度目を通すと良いかと思います。

arbor.caitsithware.com

試用版でもUnityエディタ上では制限が無く、複雑な処理を書くこともできるので、十分試した上で購入しても良いでしょう。


ちなみに、unity1weekというゲームジャムでArbor2を使い一つゲームを作ってみたので、こちらも参考になれば幸いです。

backyard.hildsoft.com


Arbor2を使ったら何が便利になるの?

まだ完全には使いこなせていないので、ごく一部の例としてご覧ください。

f:id:hildsoft:20170830035004j:plain

よく、アクションゲームでキャラクターをこのように操作しようとするとき、

public float _Speed = 10f; // 移動速度

void Update () {
  // 右移動
  if (Input.GetKey(KeyCode.RightArrow))
  {
    transform.Translate(_Speed * Time.deltaTime, 0f, 0f);
  }
  // 左移動
  else if (Input.GetKey(KeyCode.LeftArrow))
  {
    transform.Translate(-_Speed * Time.deltaTime, 0f, 0f);
  }
}

と、if文での分岐を書くことがあると思います。

これをArbor2で書くと、この2つのメソッドに切り分け

// 右移動
public void MoveRight()
{
  transform.Translate(_Speed * Time.deltaTime, 0f, 0f);
}
// 左移動
public void MoveLeft()
{
  transform.Translate(-_Speed * Time.deltaTime, 0f, 0f);
}

このようなFSMを書くだけでokです。

f:id:hildsoft:20170830043703j:plain

ここまでは単純なので、特に問題は無いでしょう。

むしろこの程度の処理であれば、最初に提示したソースコードの方がシンプルで可読性も高いです。

しかし、アクションゲームですから、いろいろなことができなければいけません。

では仕様を追加することを考えてみましょう。


コーディングだけで仕様追加に耐えられるか

  • ジャンプキーでジャンプができる
  • ジャンプができるのは地上にいるときだけ(2段ジャンプ禁止)
  • 空中では姿勢制御ができない(ジャンプしたときの横方向の速度を維持)
  • 敵からの攻撃を受けると、反対方向にn秒だけノックバック
  • ノックバック中の操作は受け付けない
  • 壁にぶつかるとそれ以上進まない

とまぁ、このくらいはどんなアクションゲームでもありがちな設定で、

  • 三角跳び
  • 減速滑空
  • 空中ダッシュ
  • ハイジャンプ
  • 移動床
  • ロープアクション
  • イベント中の操作無効or強制移動

などなど、仕様を増やせば増やすほど複雑になっていきます。

これを一つのUpdateメソッド内でif文やswitch文で処理するとバグの温床になりかねません。

勿論プログラムに慣れている人であればバグ無しで書き上げることも可能ですし、コード上でFSMを書き上げるでしょう。

ですが、書いて暫く経ったコードであれば忘れている可能性もありますし、解読に時間もかかると思います。

まして、他人が書いたコードをレビューしたり機能追加やバグ修正ともなるとスパゲティな状態だと自分の読み間違いでバグを生み出さないかと精神的な苦痛を伴います。(ユニットテストでもあれば良いのですが、ゲームだと使えない部分も多々ありますから……)


グラフで示すことで、これらの可能性をゼロとは言わないまでも、減らすことが可能になります。

何より視覚的に状態を切り分けすることで、考える部分を限定することができてスッキリします。


今後の予定

Arbor2の普及運動も兼ねて、基礎的な使い方をまず最初に発信していこうと思います。

そのあとにまだまだ書ききれていない便利な使い方や、FSMとスクリプトのどちらに書くかの判断基準などを紹介していけたらと考えています。

code.hildsoft.com

Unityで対象となるオブジェクトを向くように回転させたい(Quaternion.LookRotation)

f:id:hildsoft:20170706031756p:plain

Quaternionはさっぱりわからないという人は一度こちらを見てください。

code.hildsoft.com


Unityで使うQuaternionのサンプルコード(LookRotation)

対象となるオブジェクトを向くには、LookRotationを使ってどのくらい回転させればいいのかを求めて、 得られたクォータニオンを使用して回転させると楽です。

f:id:hildsoft:20170706133217p:plain

このように黒いキューブの方を向くなど、カメラの向き変更などでよく使います。

Quaternion LookRotation(Vector3 forward)

+Z軸を、指定の方向に向けたい時に必要な回転操作が欲しい時に使用します。

+Z方向はVector3.forwardでも定義されていて、カメラの撮影方向もZ軸プラスの方向になります。

今回は黒のキューブに向けてみましょう。

public GameObject targetBlack;

を定義してインスペクタから黒いキューブを設定します。

f:id:hildsoft:20170706030509p:plain

var aim = this.targetBlack.transform.position - this.transform.position;
var look = Quaternion.LookRotation(aim);
this.transform.localRotation = look;

向きたい方向を指定する必要があるので、ターゲットの座標から自身の座標を引き、相対ベクトルを計算します。

よくあるミスとして、引数に対象の座標を指定することがあるので注意してください。

Quaternion LookRotation(Vector3 forward, Vector3 upwards = Vector3.up)

LookRotationメソッドは第二引数を取るものもあります。

これは、指定方向を向いたあとに上方向をどこに指定してするか、対象を向きながら回転して決定します。

大抵の場合は、Vector3.upかtransform.upを指定することになると思います。

f:id:hildsoft:20170706033350p:plain

var aim = this.targetBlack.transform.position - this.transform.position;
var look = Quaternion.LookRotation(aim, Vector3.up);
this.transform.localRotation = look;

Vector3.upを指定した場合は、引数が一つのメソッドと同じ動きをします。

キューブのY軸(緑の棒)を見ると分かると思いますが、上を向いている状態です。

初期の状態でY軸がどこを向いていても、Y軸が上を向く(正確に言うとX軸が水平になる)ように回転します。

この場合は設定を省略できるので、引数が一つのメソッドを使う方が良いでしょう。

var aim = this.targetBlack.transform.position - this.transform.position;
var look = Quaternion.LookRotation(aim, this.transform.up);
this.transform.localRotation = look;

こちらのコードは、transform.upを指定した場合です。

単純に黒いキューブを向くだけで、そのあとの自身の回転を行いません。

補足

カメラで使用する場合は、前者は重力を考慮した動き、後者は無重力状態や飛行機などの重力をあまり考慮しない動きをする際に用いられることが多いと思います。

ただ単に方向を変えたいだけなら、Quaternionを使わずに

this.transform.LookAt(this.targetBlack.transform);
this.transform.LookAt(this.targetBlack.transform, this.transform.up);
this.transform.LookAt(this.targetBlack.transform.position);
this.transform.LookAt(this.targetBlack.transform.position, this.transform.up);

でも可能です。

Quaternionを使わないならこちらの方がシンプルになります。

関連リンク

Unity - スクリプトリファレンス: Quaternion

Unity - スクリプトリファレンス: Quaternion.LookRotation

Unityで使うQuaternionのサンプルコード(事前準備)

f:id:hildsoft:20170706031459p:plain

Unityで使うQuaternion

クォータニオン(Quaternion)の理解はそこそこでも良いからとりあえずサンプルコードが欲しい、 サンプルコードを動かしながら理解したい人向けの準備記事です。

もう少し詳しく知りたい方はこちら。

www.hildsoft.com

www.hildsoft.com

根本的な数学のレベルから理解したい方はこちら。

qiita.com

最低限押さえてほしいこと

流石に全く知らないと説明も難しいので、最低限この3つだけは押さえてください。

1.クォータニオンの持つ意味

クォータニオンは、ある状態から別の状態へ回転させる操作、または回転後の状態です。

f:id:hildsoft:20170706013913p:plain

Unityでは基本状態では、Rotationの値が、X:0,Y:0,Z:0で作成されます。

これを基本状態(無回転状態)と考えてください。

この状態をクォータニオンではQuaternion.identityとしています。

Quaternion.identityの状態にするには、下記のコードで可能です。

this.transform.localRotation = Quaternion.identity; // 親の座標系
//this.transform.rotation = Quaternion.identity; // グローバル座標系

2.transform.rotationとtransform.localRotationの違い

f:id:hildsoft:20170706021933p:plain

ヒエラルキー上で親子関係があるオブジェクトです。

分かりやすいように、キューブにx,y,z軸を表す棒を付けています。

ここで子オブジェクトを基本状態に回転させます。


f:id:hildsoft:20170706022046p:plain

this.transform.rotation = Quaternion.identity; // グローバル座標系

transform.rotationはグローバル座標系が基準です。


f:id:hildsoft:20170706022054p:plain

this.transform.localRotation = Quaternion.identity; // 親の座標系

transform.localRotationは親の座標系が基準です。


オブジェクトがルートの直下にあるときは、親がグローバルになるため、

transform.localRotationもtransform.rotationも同じ結果になります。

3.クォータニオンの計算

クォータニオンは回転操作なので、計算によりオブジェクトを回転させることができます。

その計算方法ですが、回転させたいものに対して、左側からかけることで可能です。

通常の実数での掛け算は積の交換法則が成り立つので、実数a,bに対してa * b = b * aが成り立ちます。

しかし、クォータニオンの計算では行列の計算と同じく、一般的に積の交換法則は成り立ちません。

X=(今の状態)
A=(回転操作)
B=(結果の状態)

とすると、

B(結果の状態) = A(回転操作) * X(今の状態)

で計算することができますが、

B(結果の状態) = X(今の状態) * A(回転操作)

では意図しない結果になる場合があります。

サンプルコード

記事を書き次第追加していきます。

code.hildsoft.com

Unityでクリックした位置にprefabを作成する(Perspective編)

Unityでクリックした位置にprefabを作成する(Perspective編)

検証環境

Unity:5.6.1f1

カメラの設定

Unityのカメラ設定でProjectionという項目があります。

どのように空間を映すかという設定なのですが、

  • Orthographic
  • Perspective

の2パターンがあります。

この記事ではPerspectiveの場合について説明します。

Orthographicはこちら code.hildsoft.com

Perspective

f:id:hildsoft:20170704073703p:plain

設定はカメラのProjectionで変更可能です。

OrthographicもPerspectiveも3次元を2次元に投影する方法ですが、
PerspectiveではPerspectiveとは違いカメラに対して前後の概念も奥行きも影響してきます。

遠くにあるものは小さく、近くにるものは大きく表現されます。

f:id:hildsoft:20170704073846p:plain

Z正方向を見たカメラに2つのキューブを置きました。

シーンビューで斜め上からPerspectiveで見た図がこちらです。

赤いキューブのZ座標は-5で、緑のキューブのZ座標は0です。

緑から青色の長方形で構成される四角錘台に含まれるものがカメラに映されます。


f:id:hildsoft:20170704073923p:plain

実際にカメラに映し出されるのがこの図になります。

同じ大きさのキューブですが、赤は遠くにあるため小さく、緑は近くにあるため大きく見えます。これがPerspectiveの特徴です。

通常のカメラでの撮影や人の目の見え方はこの方式になります。

クリックした座標のとり方

画面のクリック位置を取る方法はこちらの記事を参照してください。

code.hildsoft.com

prefabを作成

public GameObject prefab; // prefabはインスペクタから与えてください。

private Camera cam;

void Start ()
{
    this.cam = FindObjectOfType<Camera>();
}
    
void Update () {
    if (Input.GetMouseButtonUp(0))
    {
        var mousePosition = Input.mousePosition;

        mousePosition.z += 18f;  // カメラのZ座標に+18
        //mousePosition.z -= this.cam.transform.position.z; // XY平面上に
        var worldPoint = this.cam.ScreenToWorldPoint(mousePosition);

        GameObject.Instantiate(this.prefab, worldPoint, Quaternion.identity);
    }
}

Input.mousePositionのZは常に0です。

Camera.ScreenToWorldPoint(Vector3 v)

で変換すると、カメラが見ている範囲のx,y座標に変換してくれますが、Zはカメラの座標からの相対値が返されます。

Orthographicとは違い、カメラからの距離によって大きさが変わるため、Zの値によってx,y座標も変わってきます。

Zの値を変更しないとカメラと同じ位置にインスタンスを作成されて見えないので、少し前に移動させます。

Orthographicでもそうですが、ScreenToWorldPointを使用しても座標が変わらない、オブジェクトが見えないなどはこの辺が原因であることが多いです。

この例ではカメラのZ=-20に対して+18に設定し、赤と緑のキューブの間に生成されるようにしました。

f:id:hildsoft:20170704074817p:plain

実行して適当にクリックしてみたのがこの図です。

赤と緑のキューブの間にprefabで指定したキューブが作成されています。

奥行きについて

f:id:hildsoft:20170704075527p:plain

画面上は同じ座標になっても、奥に行くほどX,Y座標は変わっていきます。

同じ大きさの比較できる物体があれば前後感は分かるようになります。

しかし、遠くに大きな物、近くに小さなものを配置すると画面上の大きさは同じようになります。 Orthographicと同様プログラム内で位置を知りたい場合はraycastなどで調べることになります。

補足

Perspectiveを使う時に大事なパラメータにField of Viewという項目があります。

これは視野を調整するもので、カメラを動かしたときに人間の目との違和感を感じやすい部分になるので3D酔いの原因になります。

人により差があるため、できればユーザーが設定できるようにプログラムを作成した方が良いでしょう。

その際にクリック位置などの補正が必要になることもあるので注意してください。

参考サイト

tsubakit1.hateblo.jp

関連リンク

Unity - スクリプトリファレンス: Camera

Unity - スクリプトリファレンス: Camera.orthographic

Unityでクリックした位置にprefabを作成する(Orthographic編)

Unityでクリックした位置にprefabを作成する(Orthographic編)

検証環境

Unity:5.6.1f1

カメラの設定

Unityのカメラ設定でProjectionという項目があります。

どのように空間を映すかという設定なのですが、

  • Orthographic
  • Perspective

の2パターンがあります。

この記事ではOrthographicの場合について説明します。

Perspectiveはこちら code.hildsoft.com

Orthographic

f:id:hildsoft:20170621203458p:plain

設定はカメラのProjectionで変更可能です。

OrthographicもPerspectiveも3次元を2次元に投影する方法ですが、
Orthographicではカメラに対して前後の概念はあっても「奥行き」というものがありません。

遠くにあっても、近くにあっても同じ大きさで表現されます。

f:id:hildsoft:20170621203824p:plain

Z正方向を見たカメラに2つのキューブを置きました。

シーンビューで斜め上からPerspectiveで見た図がこちらです。

片方のZ座標は-5で、もう片方は0です。


f:id:hildsoft:20170621204042p:plain

実際にカメラに映し出されるのがこの図になります。

奥にあるにもかかわらず、同じ大きさに見えます。これがOrthographicの特徴です。

2Dゲームなどではこの投影方式を選択することが多いですが、Perspectiveでも画角を調整することで奥行きの感じられない2D的なゲームを作成することも可能です。

クリックした座標のとり方

画面のクリック位置を取る方法はこちらの記事を参照してください。

code.hildsoft.com

prefabを作成

public GameObject prefab; // prefabはインスペクタから与えてください。

private Camera cam;

void Start ()
{
    this.cam = FindObjectOfType<Camera>();
}
    
void Update () {
    if(Input.GetMouseButtonUp(0))
    {
        var mousePosition = Input.mousePosition;
        mousePosition.z += 1f; // カメラのZ座標に+1
        // mousePosition.z -= this.cam.transform.position.z; // XY平面上に
        var worldPoint = this.cam.ScreenToWorldPoint(mousePosition);

        GameObject.Instantiate(this.prefab, worldPoint, Quaternion.identity);
    }
}

Input.mousePositionのZは常に0です。

Camera.ScreenToWorldPoint(Vector3 v)

で変換すると、カメラが見ている範囲のx,y座標に変換してくれますが、Zはカメラの座標からの相対値が返されます。

Zの値を変更しないとカメラと同じ位置にインスタンスを作成されて見えないので、少し前に移動させます。

Perspectiveでもそうですが、ScreenToWorldPointを使用しても座標が変わらない、オブジェクトが見えないなどはこの辺が原因であることが多いです。

この例では+1だけしていますが、他のオブジェクトとの前後関係を考慮した値を設定してください。

f:id:hildsoft:20170621211901p:plain

実行して適当にクリックしてみたのがこの図です。

カメラのすぐ前方に緑のキューブが作成されています。

奥行きについて

f:id:hildsoft:20170621211042p:plain

画面上は点でも、実際には奥行きがある事を理解しておいてください。

また、線上のどこにあるかは画面からは判断できません。

プログラム内でレイヤーに分けて管理するか、raycastなどで調べることになります。

補足

Orthographicを使う際は、Z軸に平行で、x,y平面を映すようにした方が良いです。

カメラに角度をつけてしまうと上記の方法ではズレが生じてしまいます。

もちろん補正してしまえば問題ないのですが、バグの原因にもなりかねませんので必要が無ければ避けた方が良いです。

2次元の被写体全部を傾けるよりは楽なので、その場合はカメラを傾けた方が楽になります。

参考サイト

tsubakit1.hateblo.jp

関連リンク

Unity - スクリプトリファレンス: Camera

Unity - スクリプトリファレンス: Camera.orthographic

Unityでクリックした座標を取得する

Unityでクリックした座標を取得する

検証環境

Unity:5.6.1f1

Inputクラス

InputクラスのStaticメソッドやフィールドを使うことで、入力系の処理を知ることができます。

座標の取得

マウスの座標はInput.mousePositionで参照できます。

Vector3 mousePosition = Input.mousePosition;

Input.mousePositionは常に更新されているので、クリックしたときだけ処理をしたい場合は条件を加える必要があります。

座標の始点

f:id:hildsoft:20170621144006p:plain

座標は左下が原点で、右方向がX軸のプラス、上方向がY軸のマイナスになります。

マウスの状態

マウスは

  • 押していない状態
  • 押している状態
  • 離した状態

の3つの状態があります。

それに対してUnityでは、3つのマウスボタンの動作を検知できます。

  • 押した瞬間(GetMouseButtonDown)
  • 押している状態(GetMouseButton)
  • 離した瞬間(GetMouseButtonUp)

の3つです。

クリック操作というのは、押した時ではなく離した時に決定することがほとんどだと思います。
ですので、今回はボタンを離した時のサンプルを書いておきます。

サンプルコード

// 左ボタンクリック
if (Input.GetMouseButtonUp(0))
{
    Vector3 mousePosition = Input.mousePosition;
    Debug.Log("LeftClick:"+mousePosition );
}
// 右ボタンクリック
if (Input.GetMouseButtonUp(1))
{
    Vector3 mousePosition = Input.mousePosition;
    Debug.Log("RightClick:"+mousePosition );
}
// 中ボタンクリック
if (Input.GetMouseButtonUp(2))
{
    Vector3 mousePosition = Input.mousePosition;
    Debug.Log("MiddleClick:"+mousePosition );
}

このように、マウスクリックが発生していることを確認してから座標を取得します。

補足

ボタンを押した位置から動かしてボタンを離す(ドラッグ&ドロップ)のような操作は、

押した瞬間(GetMouseButtonDown)に座標を取得して保存しておき、
離した瞬間(GetMouseButtonUp)にも座標を取ることで、距離なども計算できます。

uGUIなど、画面上のボタンなどについてはクリックイベントがありますので、イベント時に取得するのが良いでしょう。

関連リンク

Unity - スクリプトリファレンス: Input

Unity - スクリプトリファレンス: Input.GetMouseButtonUp